【実体験】不動産営業のきついと感じた所10選

Real estate Salesman

こんにちは。genです。

今回は、不動産の営業はきついと一般的には言われているけど、どんな所がきついのかな。実際に働いていた人から率直に聞きたい、そんな疑問に不動産営業経験7年の筆者が答えていこうと思います。

不動産と言っても建売や仲介業者、マンションなども不動産業界に入りますが、建売の営業マンとして働いてみて筆者が実際にきついと感じた点をご紹介していきます。

実際に不動産営業として7年間働いてきてきついと感じた所10選

①スピード感
②当たりがきつい
③高額な商品を取り扱う為、お客さんも求めるものが高い
④幅広い知識が必要
⑤言った言わない問題
⑥時間的拘束
⑦給料面
⑧責任問題
⑨ノルマ
⑩人脈

順番に解説していきます。

①スピード感

不動産業界はスピード勝負の業界です。仲介がお客さんを不動産に案内して購入する際も建売業者が土地を仕入れる際もスピードがとても大切です。

なぜなら、お客さんの気は変わりやすいですし、土地も一つしかないからです。

どれだけ高い金額で契約してくれるかも大切ですが、早い日程で契約してくれるか、早く金額を提示してくれるかが、肝になってきます。

例えば建売業者の営業ですと、建物を建てる為の土地をまずは探して買わないといけないので、土地の選定、土地の目利き、仕入れがとても大切になってきます。

仕入れの段階で人気のあるエリア、土地の形も綺麗、日当たりなどその他の条件も良い、これは買った方が良いとなった土地は速攻で買い付け証明書というこの土地をこの条件、この金額で購入したいですという意思表示を各社してきます。

この買付証明書を出すまでのスピードがとても大切になってきます。

筆者も経験があったのですが、人気のある土地だと仲介業者のHPに載った瞬間に問い合わせが殺到し、自分が物件の問い合わせをした時には既に買付証明書が何通も入っていたことは何度もありました。

もっと早い段階で契約が決まってしまっている場合には、仲の良い業者間で情報を回して、契約の金額や条件が確定した後にHPに載せているものもあり、HPに載った時には「売り止め」になっており、買付証明書の提出さえも断られたりします。

売り止めの状態になっていると検討の余地はなく、買付を提出しても2番手、3番手扱いになってしまい、余程話がこじれることが無い限りは自分達が契約することは困難です。

不動産に対して知識がない新卒や全く畑違いの所から中途で転職して来たりする場合には土地の選定にも時間が掛かりますし、どういう手順で動けば良いのかなど不動産業界のスピード感についていくのがきつかったりします。

②当たりがきつい

言い方に関してスピード感の所と関係している所ではありますが、時間との勝負になるので雑な言い方、投げ捨てるような良い方をされることもしばしばあります。

例えば相手の業者が職人さん(大工さん、電気屋さん、外構屋)や仲介業者も含めてですが、年輩の人だと言い方がきつい、言い方が強い傾向にあります。昔と比べると多少きつくはなくなっているそうですが、古くからやっている人に関してはまだまだ言い方がきつい傾向にあります。

契約の為に仲介業者の事務所に行くと仲介業者が金のネックレスと金の指輪をして、「座れよ」というような人も中にはチラホラおり、「本当にこの人仲介業者かな」、「来る事務所間違ったかな」と思う程です。

見た目がいかつい感じでも中身はとても優しい気さくだったりもしますが、言葉遣いが悪かったり、愛想のない態度だと態度が一変したりということもありました。昔からの業界特有の風潮がまだまだ残っている感じですね。

③高額な商品を取り扱う為、お客さん(建売の購入者)から求められるものも高い

販売の契約に行った際も基本的にお金を払っているんだからというスタンスでいる事が多いです。

大体の人が住む目的で不動産を購入することは一生に1度の大きな買い物になるでしょう。購入時には慎重にもなる所ですが、契約の際に契約書に書いてある特約の内容、地盤調査の有無、業者、物件周辺の環境などのチェックも事細かにしてくる方もいます。

スムーズな時は1時間や2時間位で終わる人もいますが、長い人は3時間も4時間も時間がかかる場合もあります。

筆者が実際にあった話で、仲介業者から買主さんに契約書の説明や重要事項説明書について説明をしている時に一個一個の特約の内容や文言に関しての説明を求められ、2時間で契約が終わるどころか、2日目に突入したりしたこともありました。

④幅広い知識が必要(測量、建築、後期、解体、水道工事)

知識の必要性として「その情報が正しいのか正しくないのか、その判断で間違っていないのかが確認ができないから」です。業者が言っていることが正しいのか、適当なことを言ってきているのか、本当にそれで大丈夫なのか、問題ないのかの判断がつかない為、知識を常に入れていく必要があります。

会社が自社施工の建売会社の場合、土地の仕入れ~測量、建築、水道工事などの知識なども必要になります。

例えば水道工事で言えば建物何に引き込まれている水道管の大きさが13ミリで3階建ての建物まで水圧が弱まらずに届くのか、測量で言えば前面道路が公道の場合には大体土地の測量が完了するのにどれくらいの期間が必要になるのかなどです。

マニュアルに書いていないことに出くわすことが多々ある為、マニュアルはあって無いようなものです。

筆者は不動産に対して全く無知の状態で新卒として入社し、覚えも悪い方だったので入社から3年位は社内の会話も含め、業者が言ってきている話しについていくのにとても苦労しました。

事前に学習する→実践するというより、とにかくやりながら覚えていく状態だったので、その場でメモをゆっくり取って後で復習ではなく、その場その場で覚えるという様な感じで日々過ごしていきました。

不動産といえば宅建業法と言われがちですが、それ以外にも必要な知識は幅広くあります。宅建の知識はあっても実践で役に立つのはほんのわずかです。

⑤言った言わない問題

その場のノリや勢いでつい「大丈夫です!」「できます!」と言ってしまった場合にはかなり命取りになります。他の仕事でも同じ事ではありますが、揉め事になる原因になるので、慎重かつ迅速なやりとりが必要になってきます。

言った言わない問題は業者との話を進めていく上で致命的になり、大きな問題に発展してしまいます。

例えば、自分が建売業者で土地の購入を検討していたとします。仲介とのやり取りで、値上げ交渉がきた場合に、収支を確認しないでその場で「値上げできます。大丈夫です。買わせてください」と返答をしてしまい、事務所に帰って収支を確認したら利益率が足りず契約できる条件を満たしていなかった為、契約破棄した場合には仲介からの信頼はがた落ちです。

更に「値上げ出来るなんて言っていません」と言った言わないに持ち込んだ場合には、売主さんから仲介に対しての評判も下がりますし、自分と仲介との信頼関係も無くなります。

基本的には買付証明書にて金額の提示をしてやり取りをするのであまりない事ですが、信頼関係ができてきて、二つ返事でやり取りをしている業者がいた場合には口頭でのやり取りも増えてくるので、無い話ではないです。

出来ないものはできない、出来るものはできる、確認する必要があるものは確認しますときっちり伝え、曖昧にしない、勝手な判断をしないことがとても大切になります。

特に不動産業界ですと言い方が厳しい、言い方が強い方も多く、ノリや勢いが凄かったりします。わざと言った言わないに持ち込んでくる人もいる為、勝手な判断、その場の勢いでの判断になりかねません。

言った言わないが揉め事に発展して酷い場合には裁判になってしまったりするので、慎重な対応が必要とされます。

仲介業者からの信用を失い今後の契約に影響が出るだけではなく、会社全体の信用にも繋がりかねないので、言った言わない問題にならない様にするにはとても注意が必要です。

⑥時間的拘束

不動産業界はサービス業ですので、お客さんに合わせて動くのが一般的です。お客さんの都合で不動産会社が休みだったとしても、契約があれば出勤することもありますし、必要があれば休みの日に電話をすることも多いです。

なので、会社が休みだとしても完全に休みという感覚で考えていない方が良いです。完全に休みにしたいという人は公務員になった方が良いでしょう。

不動産業界に行きたい人は給料が良いから、稼ぎたいから、大きなお金を動かしたいから、責任ある仕事をやってみたいからなどの理由で働いている人が多いですが、普通の人よりも高い収入を得ようと思えば休み返上で働くのが普通でしょう。

契約が第一優先ですし、お客様第一優先で動いて接待や付き合いで飲みに行ったり、新しい繋がりを作る為にゴルフをしたりしている人もいます。

そうやって少しずつ人脈を増やして契約を勝ち取って、慣れた業者で契約を回して少しでも時間のかからない様に、自分でコントロールできる様にしていく事が不動産業界で時間的拘束から逃れる方法ではないでしょうか。

⑦給料面

以外と給料は低いです。基本給にインセンティブ(歩合)がついていないと一般的な会社員よりも給料は安いです。

不動産業界は実力主義の会社が多く、実績がある人に対してはかなり収入は良いですが、無い人はしょぼいです。

どれくらいなのか知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【実体験】不動産営業の収入は、、、
役職がついたからといって給料は大幅に上がったりしません。名刺を切る時の肩書は見栄えも良いので、外部的な見え方は違ってきたりしますし、新規の取引先と取引をする場合には名刺を見て判断されたりするのでメリットはありますが、それ以外はどれだけ契約したかという結果しか見られません。

インセンティブの制度が契約した金額に対してつくのであれば金額の大きい1棟現場の契約をすればその分収入は跳ね上がりますが、契約本数に対してのインセンティブを払っている場合にはなかなか収入を上げるのは厳しいでしょう。

契約本数に対してだと数の勝負になってくるので、当然繋がり(人脈)が大切になってきます。新卒の時にはこの人脈が全くない為、契約にこぎつけるのはとても大変になります。

人脈が無いから、新しい人脈を作る為に皆飛び込み営業をしたり、一生懸命チラシを撒いたりして営業をかけていきます。

それでも1か月に1本契約できない月もあれば何本もできる月もあります。でも契約をしないと給料が上がらない為、大変でもやり続けるしかないといった感じです。

人脈ができて契約の段取りから何から何までできる状態になれば早く独立して、会社を建てた方が自分の取り分は自分で決めれる様になるので間違いなく収入は上がるでしょう。

不動産でも賃貸、建売、投資、マンション、注文住宅、仲介業と色々ありますが、インセンティブ(歩合)の額が大きいのは、扱う金額の大きい建売やマンション、売買専門の仲介業です。

賃貸は都心の一等地以外は賃料は安いですし、投資はマンション丸々1棟でも購入すればそれなりの見返りは期待できますが、1ルームだとなかなか厳しいでしょう。

不動産業界=稼げるという風潮がありますが、実際は一部の人です。大手であればあるほど、会社に吸い込まれる部分は多くなります。

⑧責任問題

不動産業界は担当制を取り入れている所が多いです。不動産ごとに担当が決まっており、基本的な窓口はその担当を通してやり取りをするといった感じです。

最終的な判断は会社や責任者がしますが、詳しい情報は担当しか知らない事が多いです。何か問題があったりしても会社ではなく、担当が出て行って尻を拭きます。

なので、当然担当制を取り入れている場合には責任も大きいです。他の人は案件に関しての状況を知らない状態になりますし、⑤で紹介した言った言わない問題も普通に起きてきます。事細かに会社に報告するわけにはいかないですし、全てを会社に報告していたら業務が回っていきません。

責任を取るためにも幅広い知識が必要ですし、物件毎にどういう話になっていたのか常に整理して流れを把握しておかないと、この前はこう言っていたけど、今回は違うことを言っているとなり、揉めてしまいます。

物件毎に状況は常に変わります。相続で揉めている案件なのか、賃借人が多い立ち退きが必要な物件なのか、売主の一人が高齢で携帯を持っておらず連絡が直ぐには取りずらい案件なのか、物件によって状況は区々です。

状況も違い複雑なものも多い為、物件によって担当制にして分けて管理していく必要があるのです。どの仕事でも責任の問題はありますが、扱う金額が大きい為、その分責任が大きいのが不動産業界です。

⑨ノルマ

毎月のノルマが決められており、必要な契約数をクリアしないといけないでしょう。ノルマが無い会社もありますし、ノルマに対して緩い会社もありますが、基本的にはあると考えた方が良いでしょう。

賃貸管理の様に定期的に賃借が続く所に関しては会社として安定して収入が入る状態となるので、ノルマというより目安程度に契約を取っていきましょうという所もありますが、建売の様に契約をしないと会社としての利益が無いといった所は定期的に契約を取ってこないと会社としても存続が危ういので、ノルマはあると思っておいた方が良いです。

先月は一杯契約できたていたから今月はしなくても良いとはならずに、今月は今月、先月は先月という感じで1か月ごとに区切られていきます。特に力を入れるのは決算期や年末、増税前などの時期はマイナス分を取り戻そうという動きが活発になります。

ドカンと契約している人よりもコンスタントにコツコツ契約できる方人の方が見栄えが良いでしょう。野球選手とかでもそうですが、コンスタントに結果を残している選手の方が大体これくらいの数字は残すだろうと想定がつくので、重宝します。

一番良いのはノルマをクリアしている事ですが、物件が全く出てこない時期もあり、景気にもかなり左右されるのが不動産業界の辛い所です。

今回の様なコロナウイルスの時には物件としての早く売ってしまおうというお客さんと、買い時だと思っている人もいた為、筆者の周りの知り合いでは過去一の売り上げだったと言っている業者が沢山いました。

また、お客さんありきの仕事なので、売主さん買主さん双方が納得いかなければ契約になりませんし、契約日も決まってきません。

何とか今月にねじ込もうと思っていても、コントロールが効かない所もある為、なかなか難しく、契約が来月に流れてしまったり、無くなったり、途端に契約が決まる時もあります。ノルマをクリアする為にも、休みが休みではなくなる可能性も高いのがきつい所でもあります。

⑩人脈

上の方でも少し書きましたが、「人脈」が契約する上でとても大切になってくるので、人脈がない内にはきつい部分が多いです。

それも一つや二つではなく、多く必要で、不動産の情報自体が人脈のある内々で出回って自分の所に流れてこない、付き合いのある会社間だけで流れてしいまい全く入ってこないなんてことも多いです。

力がある会社、力がある人に不動産の情報は集まってきます。力があるというのは単にお金があるからという意味だけではなく、契約のやりやすさやレスポンス、誠実さや知識量など色々な要素が絡んできます。

実際筆者の上席にいた人に物件の情報は集まっていきましたし、一度契約した仲介なのに上席に物件の情報を提供して契約した事も多くありました。それだけ人脈が無いと契約を勝ち取るのはきつい所があります。

以上10点が不動産営業のきついと感じた所です。こういった現状があったとしても働いてみたい、それでも不動産業界に未来を感じているといった方は入社して実際に働いてみても良いかもしれません。

今回は以上になります。最後まで見て頂き有難う御座います。