皆さんは建売の値引き交渉ができることはご存じですか?
こんにちは。Genです。
今回は建売の値引きについての記事を書きました。
目次
- そもそも建売の値引きができるの?出来ないの?
- 値引き交渉の時期はいつ頃が良いの?
- 値引きの幅はどれくらいが可能なの?
- 値引き交渉によるメリット
- 値引き交渉によるデメリット
- 値引きの仕方、タイミング
- 建売行業者が回転率を意識する理由
信用補填の為、最初に筆者の経歴ですが、
・利益率や粗利などの収支とにらみ合いながら実際に値引きをされる側で許容できる範囲を考えながら仕事をしていた
こんな筆者が解説していきます。
そもそも建売の値引きが出来るのか、出来ないのか
結論としては、タイミングや時期にもよりますが可能です。できるというと、絶対にできるというニュアンスになるので、可能という感じですね。
賃貸物件でも実際に賃貸する物件が決まりそうなときに賃料の交渉をしたことがある人もいると思いますが、同じ感覚で購入する建売の物件に関しても金額の交渉が可能ですし、値引きの交渉は一般的です。珍しい事ではないので交渉するだけしてダメなら提示されている金額で購入するしかないでしょう。
値引き交渉の時期はいつ頃が良いのか、値引きしやすい時期は?
- 完成済み
- 決算期(3月、9月)
- 年度末
- 消費税増税前
上記の時期が狙い目のタイミングです。建売物件は完成前に売り出している未完成の物件も多くあります。未完成の物件は建物の完成イメージが付きずらいので、購入する側としてもどんな感じになるのか分からないので、不安な所もありますよね。なので、未完成の物件は基本的に難しいと思っておいた方が良いでしょう。
完成から1年経つと「未入居」という扱いになり、新築物件と名乗るには、「建物の完成から1年以内」かつ「誰も住んだことがない」という条件になるので、完成したら早く売りたいのが建売会社の心情です。
完成したのに全く動きがない、問い合わせもないとなると建売業者も相場よりも高かったかな?となり冷や冷やします。完成しているかどうかを見た目で判断するとなると、建物周りの土間打ちや外構関係、内部で言うとクリーニングも終わっていたら大体終わっていると思って良いでしょう。
完成しているかどうかは仲介業者に聞いたり販売図面などでも確認ができたりします。
不動産が動きやすい時期としては12~3月、長いと8月までずっと忙しかったりします。長期休み前の時期に合わせて引っ越しを考えますよね。大手だと3月、9月(三井ホーム、一条工務店、ダイワハウス、セキスイハイムなど)は決算期が1年に2回あるので、その前は値引き交渉をするまでもなく値引きをしていたり、建売業者も決算前に売り上げを伸ばしたいと考える為に値引きの交渉がしやすかったりします。
値引きの幅はどれくらいが可能なの?
値引きの幅としては50~100万円が限界でしょう。理由として一般的には建売業者の利益は1棟当たり大体300~500万円と言われており、そこから経費などを除くと残るのは200万円~400万円位です。3000万円、4000万円の建売の金額のわりに結構少ない利益ですよね。
建売には建物を自社で立てている場合と委託業者に依頼して建物を建ててもらう場合がありますが、自社施工で建物を建築している場合にはお抱えの電気屋、大工さんなどを持っているので、その分大量発注の様な形で一つの業者に対しての単価が下げられる為、建築費用を抑えられるので、利益率は高くなり、その分値引きがもう少しできる可能性はあります。
また、人気の文京区や新宿区や品川区、目黒区などの一次取得者向けの新築がなかなか出てこない一部のエリアだと少し強気の値付けで最初から少し相場よりも高く売りだしているケースもある為、一概には言えませんが、大体50~100万円程度が値引きが出来そうな範囲だと考えられます。
値引き交渉によるメリット
②仲介に支払う仲介手数料が安くなる
③売買代金で浮いた金額を他の費用に回すことができる
売買代金が安くなるので、その分銀行から借りる融資額も下がり、仲介に支払う仲介手数料も安くなるので、銀行への返済も楽になります。返済する額が減ればその分お子さんの養育費や食費、家族旅行に行くことも考えられるでしょう。
仲介手数料に関しては、例えば売買代金が4000万円の建売を購入する場合
4000万円(売買価格)×3%+6万円+1.1%(税率)
=138万円6000円
この金額が売買代金4000万円の場合に仲介に支払う必要のある金額です。
この4000万円を例えば値引き交渉をして3900万円に下がられたとすると、
3900万円(売買代金)×3+6万円+1.1%(税率)
=123万6000円
売買代金が100万円下がるだけで、15万円も仲介手数料が下がるので値引き交渉をするメリットはかなりあります。
値引き交渉によるデメリット
「最大のデメリットは満額で買いたいと言ってくる他の買主さんに負けてしまう、購入したいと思っていても購入できない可能性がある」という点でしょう。
当然建売業者も商売でやっているので、買付金額が高い所を優先したいと考えますし、建物が完成してくると同じ様に購入を検討する人も増えてきます。
仲介業者としても、案内して建物を見てもらった時の感度が高いので、完成物件に案内を優先する事も多いです。
そうなると購入したいと思うお客さんも多くなり、買主同士で競合してくるので、スピード勝負(契約日が早い方が良い)+金額勝負+条件(銀行からの融資が確実に通る人)になってくるので、値引き交渉にもリスクがあると思っておいた方が良いです。
筆者も実際に会った話ですが、買主同士で競合してくると現地の案内(内見)と呼ばれる現地確認の依頼が増え、物件前で案内待ちができる事もあり、多い時には10件同時に被る事もありました。
値引きの仕方、タイミング
②事前審査&結果
③買付証明書提出+値引き交渉
④契約
⑤銀行に本審査(融資額確定)
⑥現地案内(建物のクリーニングをした後のお披露目会)
⑦決済(建物の引き渡し)
①②が終わって、③タイミングで値引き交渉をすることが一般的です。建売業者としても買主が銀行からの融資がどの位の金額で通りそうか検討がつかないと最終的にどのくらいの金額で購入できそうなのか分からないので、①~③はほぼセットと言っても良いです。
建売業者の立場としても契約したは良いけど、実際に買主が銀行の融資が通らなかった場合には契約が破棄になるというのが一番の機会損失になってしまうので、厳重にみていく所です。
①のプレゼンや現地確認に関しては、完成物件だと現地確認をすればどんな建物なのか一発でわかりますが、未完成物件の場合には建物の完成イメージがわからないので、建売業者によるプレゼンを依頼できる可能性があります。
プレゼンは完成のイメージパースや実際に使っている床、建具などを見せてもらい、こんな感じになる予定ですと説明をしてもらうのがプレゼンです。運良く建売業者から各業者への床や建具の発注が間に合えばこのプレゼンのタイミングで建具や床などのカラーセレクトができる可能性があるので、聞いてみても良いかもしれません。
建売業者が回転率を意識する理由
こちらは値引きに関しての補足になりますが、建売業者は完成してから早い段階で売りたいと考えます。理由としては、「銀行からの評価が高くなるから」です。
契約、決済のタイミングが利益が実際に確定するタイミングというのもありますが、建売業者も何億、何千万円と常に持っているわけではないので、土地を仕入れた時には銀行から融資を受け、この土地をこれくらいの金額の建売にして売る予定にしていますという事業計画を提出します。
そこから建築がスタートしていくのですが、この事業計画が予定通りに行ったのか、早い段階で売れた場合には予定通りに売れましたねとなり建売業者への評価(信用)が上がる事になります。
そうなると次の土地を仕入れた時にもこの建売業者ならちゃんと融資してもかえってくる、販売する時の金額も問題ない、信用できるとなりもっと高額な融資を出してくれる様になるので、大きな土地、自社ビルなども建てられるようになるという感じで回転していきます。
なので、値引き交渉をする際には建物が完成しているのかいないのか、いつから建築を初めているのかというのはとても大切なポイントという事になりますので、以上の事を意識して仲介業者に値引きの相談をしてみると良いと思います。
今回は以上になります。最後まで見て頂き有難う御座います。