7年間不動産営業をやってきて楽しかった事、面白かった事

Real estate Salesman

これから不動産の営業マンとして働くことを考えているけど、不動産業界の事はよく分からないなぁ。結構忙しくて大変な仕事と聞くけど、楽しいこと、面白いこと、やりがいはどんなことがあるのか知りたい。

こういった疑問に答えていこうと思います。

信頼補填の為に僕の実績ですが、

・大学卒業後に新卒として不動産の営業で7年間勤務。
・入社5年目に店舗責任者として20人弱の店舗の責任者として管理を任される。
・不動産の売値を決める市場調査(マーケティング業務)はトータル500件以上、年間約100棟弱の土地の仕入れに関わる

そんな僕が解説していきます。

僕が感じた不動産営業の楽しさ、面白さ、やりがいを感じた点ついてですが、以下の4つです。

  • 契約「一生に一度しかない契約の場」と、「物件毎にストーリーがある」
  • 立ち会い(自分の仕入れた物件で)
  • 仲介とのやりとり、交渉
  • マニュアル通りにいかない、マニュアルはあって無いようなもの

早速解説していきます。

契約

契約に関しては「一生に一度しかない契約の場に立ち会える点」と、「物件毎にストーリーがある点」の2点の面白みがありました。

まず、「一生に一度しかない契約の場に立ち会える点」に関してですが、不動産でも賃貸であれば何度か「契約」をしたことはあると思いますが、「新築戸建ての契約」に関しては大抵の人は1度しか経験しない事ではないでしょうか。

銀行に何千万円という借金をして「売買契約」を結びます。この「売買契約の場」に立ち会う、しかも一生の内でも恐らく「一番大きい金額の契約の場」に立ち合うことはなかなか他の業界では経験することのできない事だと思います。

次に高額な「契約」となると「新車の購入」位ではないでしょうか。車でも車種にもよりますが、何千万円まではいかずに何百万円位が相場です。

大きな金額を扱う契約ですから、僕が実際に契約の場に立ち合った時に中には契約書にサインする際に手が震えてしまった人もいましたし、契約前にやっぱりやめたと心変わりしてしまい、契約に至らなかった事も何度もありました。

それだけ自分が一生懸命働いてきて貯めたお金と銀行から高額な融資を受けて契約する場に立ち合えるのは不動産営業じゃないと経験ができない面白くて貴重な経験の一つです。

2点目の「物件事にストーリーがある」点についてですが、これは「土地の仕入れの契約」に関してです。

不動産には「物件毎にストーリーがあり、二つとして同じ物件がない」ということが特に面白いと感じる点でした。

例えば、売ろうと思った理由や以前の所有者の人が購入した経緯、近隣との関係性、売主の交友関係や相続関係など絶対に同じ物件は存在しません。

土地の大きさが同じ、建物の仕様が同じということはありますが、そういった「物件の背景」に関しては同じものはないです。

僕が実際に仕入れた物件の話になりますが、土地の大きな物件だと「共有で所有している売主」が複数いたりします。兄弟が多くいる場合などですね。その場合には全員に「売却の承諾」を取らないといけないので、その複数人に承諾をもらいに何日もかけて仲介が売主の所を回ってもらって承諾を取りました。

売主が年齢的に若い人であれば良いのですが、例えば高齢の方だったりすると話が上手く伝わらなかったり、前回伝えていたのに忘れているとか、後は、地方に住んでいたり、高齢で自分で字もあまり書けなくなっていたりすると契約まで漕ぎ着けるのにかなりの時間を要してしまいます。

最悪、売主同士でしばらく会っていなかったりすると、亡くなっていたりして、更に相続が発生してしまったり更にややこしくなり、契約になるまで時間がかなり掛かったりします。

ですが、そういう物件毎に全く違う「ストーリーや背景」があり、ややこしい物件程、仕入れの契約となった時には嬉しさも一塩です。

立ち会い(自分の仕入れた物件で)

自分が仕入れた土地が新築戸建てという不動産になり、お客さんが購入してくれて、立ち会いを経験できるのはとても面白く、達成感を感じる瞬間です。

「立ち合い」に関してはこちらの記事でも書いています。
7年間不動産営業として勤務して良かった事、悪かった事

特に全ての業務に関わり、自分でできる仕事が増えてくるとより楽しいですし、面白みも達成感もあります。

一筋縄ではいかなかった案件であればあるほど、売れた時には嬉しいですし、買ってくれたお客さんに会えるのが「立ち合いの場」です。

お客さんの嬉しそうな顔を見た時にはやってきて良かったな、もっと仕入れを頑張ろうと思える瞬間です。

仲介や業者とのやりとり

仲介だけに限らず各業者全てに対してにはなりますが、知識が増えてくると段々と業者とのやりとりもスムーズになります。

知らない事、わからない事が理解でき、業者とのやりとりも最初はわからない事だらけでストレスでしかなかったものが、毎日良くわからない言葉が出る度にGoogleで調べたり、仲介に聞いたり少しずつ覚えていくといつしかやりとりがスムーズにできるようになります。

スムーズになってくると話も理解できますし、意思の疎通ができてきて、電話口の業者も「この人話が分かってきたな、仕事ができるようになってきたな」となり、新しいことを教えてくれたり、見積もり時の金額交渉も相談に乗ってくれ安くしてもらえたりします。

こうなってくると円滑に業務が回る様になってくるので、より楽しくなってきて、仕事に向かう気持ちも高くなり、良い流れができてきます。

更に良い流れができてきたりすると、「この人と一緒に仕事がしたい」となり、物件の紹介が来るようになったりします。この物件の紹介をもらう所が最終地点ではないでしょうか。

不動産の営業としては「情報」が命なので、未公開で表に出ないでそのまま契約になる物件も多く、繋がりが特に大切になってきます。

新卒で入社した時は何をやったら良いのか、何が正解か分からないので、方向性も曖昧です。

どう交渉したらいいのかも分かりませんし、業者に駆け引きをされて以前に言われた事と今回言われた事が違っているなんて日常茶飯事です。

結構不動産の営業は言い方がキツかったり、話す勢いが凄く、そのまま勢いに呑まれてしまって新卒の時には面食らう事も多いので、その点は要注意ですね。

マニュアル通りにいかない、交渉の難しさ

ある程度の流れはあるものの物件に寄って条件も違えば、上で話した「ストーリー」が全く違ってくるので、進め方や交渉の仕方が全く異なってきます。

例えば仕入れの契約前の打ち合わせで契約書に入れる条件を調整したいのか、売買金額をもう少し上げて欲しいのかなど全く違ってきます。

どっちの方が良いとかはその時の他の状況に寄って異なってくるので、条件を少し緩くした方が契約しやすいのか、購入金額を高くした方が交渉しやすいのかが違ってきます。

条件というのは契約書に入れる条件の事ですが、例えば近隣の建物からの越境に対して「建て直す時には是正して立て替えてくださいね」というような内容の契約条件(特約)を入れるとするとその覚書の取得を努力義務とするのか、それとも取得できない場合には契約破棄とする解除条件として入れてもらうのか、もしくは最悪は条件に入れないのか、といった具合です。

勿論売主側としては決済までに解決しなければいけない難しい条件は特約はできるだけ入れない方が契約解除にならないので良いので、追加で特約は入れずにできるだけシンプルな契約にしたいと考えますが、自分達買主側としても例えば、隣地から越境物がある状態で新築を立てるとなると資産価値も下がる為リスクもあります。

交渉もし過ぎると売主との間に入っている仲介業者としても「そんな条件を入れるんだったら他に回すよ」となってしまったら契約に至る前に壊れたりしてしまうので、交渉の際にはよく打ち合わせをして戦略を立ててから交渉していきます。

そういった条件面や金額面での交渉があったりと、物件に寄って譲れる所と譲れない所があったりするので、交渉面の難しい所が面白い所です。

今回は以上になります。最後まで見て頂き有難う御座います。